ビスマルクが他の艦娘と較べて対空等がなぜ低いのか?


ビスマルクステータス比較


駆逐艦Z1やZ3は対潜が高いですが、他の値はあまり高いとはいえないです
ビスマルクは耐久が高いのですが特に対空の値が低いですね
改二の存在が示唆されているので、この先どうなるか楽しみです

先週実装された海外艦ですが、正直おもったより性能がパッとしない印象があったので
なんでだろうと、当時のドイツ海軍について調べてみました

当時のドイツ海軍の状況など

1933年にヒトラーが政権を奪取し、1935年にヴェルサイユ条約を破棄して
再軍備宣言を行います
※大部分の戦力は自沈もしくは廃棄されてしまい
 残った戦力も条約の下に接収されてたので
 軍備拡張を行うには新たに建造する必要がありました

その3ヶ月後にイギリスと英独海軍協定、これによって対英比35%まで
戦力拡張することが出来るようになり、かつワシントン海軍軍縮条約に準じた
戦艦や重巡洋艦を建造出来るようになります


これによって巡洋戦艦シャルンホルスト級2隻や、今回実装された戦艦ビスマルクや
二番艦のティルピッツが建造され、この思想を大きく引き継いで
軍備拡張計画いわゆる「Z計画」が始動します

しかし、イギリスとの開戦が早まった煽りをうけて潜水艦の建造が拡大
代わりに大型艦は縮小されZ計画では建造されなかった軍艦が多い

条約で軍備不足が続いた所為もあり、艦種はどれも足りず
海軍戦力は潜水艦に偏重、ヒトラーの命令で大型艦建造は中止
のちに撤回されますが、建造途中の空母2隻が未完成のまま終戦

力を入れていたドイツ潜水艦は商船破壊で大きな戦果を上げますが
駆逐艦を護衛につけるなど対応され、総合的な戦果は良くない


~閑休

建造計画が始動するところまでは順調に見えます
しかし建造できなかった期間が長く、設計自体が古いとも言われます
全体的な性能が若干低めなのはこの為でしょうか?

日本の旧海軍でワシントン海軍軍縮条約といえば
条約に合わせて建造された吹雪型駆逐艦等が有名でしょうか
どこの国も苦労しますね

続きます~



当時ドイツの戦艦の設計思想は?
端的に言ってしまうと、脳筋
防御力と速力で近距離での戦闘を主眼に置いています
これはバルト海や北海などの視界が効かない海域を想定していることと
命中精度の低い遠距離砲撃よりは、至近距離の戦闘に持ち込みたいというところでしょうか
装甲の配分もそれを基に設計されているのか垂直装甲のほうが厚くなっています

  薄い(水平装甲)
   ↓
   ―
 →| |←厚い(垂直装甲)
   ―
   ↑

これは近距離戦闘の場合砲弾が横から飛んできますが、遠距離砲撃の場合は
角度が上がり着弾箇所は上部になる為です

それに、ドイツの軍艦はダメージコントロールが上手いらしく
長距離砲撃で装甲貫通されても誘爆が少なかったらしいです
この構造はそういう経緯もあったのかもしれません

でもこれって対空防御疎かにしすぎですよね・・・
戦艦ビスマルクは太平洋戦争の始まる前の1941年5月に沈んでしまったので
それ以降に建造された艦や改装された艦と比べても対空能力が低くなりますが
かつ水平装甲を薄くしていたということもあって
ビスマルクは耐久値が高く対空値が低いということになったのではないでしょうか


Wikipedia - ビスマルク(戦艦)
Wikipedia - ドイツ海軍(国防軍)
Wikipedia - Z計画



後の建造計画でも空母よりも装甲艦を優先して作っていたり
海軍と空軍の中が悪かった所為もありますが、海上航空戦を少し軽視していたように思います

でもビスマルクの最後は戦艦2隻や潜水艦に重巡洋艦など複数の艦がよってたかって
至近距離から弾を撃ち込んでもなかなか沈まなかったそうです
運用方法は別として、設計思想は間違ってなかったのかもしれません


関連記事
【艦これ】海外艦娘の「ビスマルク改」「Z1改」「Z3改」の近代化改修後のステータスが判明!

~追記
>>18コメ様ご指摘ありがとうございます、修正致しました